インバウンドに対応する交通機関の改札

コロナの影響も薄れインバウンド需要が再注目されています。その際の交通機関の問題についてこちらのブログでもいくつか紹介していましたが深く考察された記事がありましたので紹介したいと思います。(少し古いですが…)

南海電気鉄道が導入した「Visaのタッチ決済」を取り上げた改札システムの記事です。この記事は、改札システムへの導入による利用者の感想に焦点を当て、その反応の幅広さを紹介しています。SNS上の意見や他の筆者の評価などが取り上げられており、興味深い内容となっています。

利用者の声はさまざまで、「思ったより早い」「これで十分」といったポジティブな意見や、特に外国人にとっては便利であるとの声もあります。一方で、「FeliCaに比べて遅い」と感じる人や、他の筆者の評価が真っ二つに分かれているといったネガティブな意見も存在します。

記事では、FeliCa(Suica)とType-A/B(MIFARE)の処理速度について詳しく説明されています。現行の製品では、両者の処理速度にほとんど差がないことが指摘されています。処理速度の差は、FeliCaとMIFAREの性能の違いではなく、オープンループ方式を採用していることによるものです。オープンループ方式では、ネットワーク間の通信に時間がかかるため、SuicaとVisaのタッチ決済の処理時間に違いが生じるのです。

また、FeliCaとMIFAREのリーダー装置の認識距離の違いにより、FeliCaの方がタッチ完了までの処理時間を稼ぐことができます。FeliCaは認識範囲が広く、ICチップの起動が早くなるため、タッチ完了までの処理時間を短縮することができます。一方、Type-A/Bは認識範囲が狭く、処理時間に余裕がありません。

しかしながら、MIFAREの認識距離を広げることは簡単にはできません。MIFAREは世界標準規格であり、その仕様は変更が難しいためです。記事では、南海電鉄が実証実験を通じて改良を進めていく姿勢を示しています。特に2025年の関西・大阪万博に向けて、相互連携やQRコードの利用などが進められているとのことです。

南海電鉄は、このシステムを利用して外部の利用者を効率的に捌くことに注力しています。特に関空アクセス路線と高野山への観光路線において、先進性や利便性をアピールする機会と位置づけています。

私の感想としては、この記事は南海電気鉄道の新たな決済システムの導入や既存のFeliCaとの比較など、技術面や利用者の意見に関する詳細な情報を提供しています。改札の処理速度や利便性は、多くの人々が日常的に接する交通手段において重要な要素です。また、QRコードの利用や国内外のシステムの統合など、異なる技術を組み合わせることで新たな価値を創造する可能性も感じました。

ただし、記事の最後にも述べられているように、まだ実証実験の段階であり、問題点の洗い出しや改良が必要です。これからの展開に注目したいと思います。

【参考記事】
「Suica」と「Visaのタッチ決済」、改札での速度差の秘密

https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/suzukij/1316685.html