非接触ICカード普及の理由
かざすだけで情報の読み書きができる非接触のICカードが、爆発的に普及したきっかけは、やはり「Suica」など公共交通機関の乗車券にICカードが採用されたことによるものでしょう。
財布やパスケースから定期券や磁気カードを取り出し、また戻すというストレスをなくした「かざすだけ」という行動はライフスタイルに大きな変化をもたらしました。
2001年にJR東日本に採用されたSUICA(スイカ)はICカード普及の起爆剤になり、2003年JR西日本でICOCA(イコカ)として、 2005年にJR東海にTOICA(トイカ)としてICカードが採用されました。
「かざすだけ」という便利さは、ICカード以前にもう戻れない、ICカードでなくてはならないとみんなに思わせてくれたのです。
ライフスタイルに圧倒的な利便性をもたらした非接触ICカードはその後、普及に大きく弾みをつけることになりました。
普及が進まないキャッシュカードのICカード化
よく使用されるカードの代表としてクレジットカードと並ぶのが銀行のキャッシュカードです。ICカード化が進むカード業界の中でキャッシュカードのIC化はほとんど進んでいない状況です。
金融庁が2011年に発表したところによるとICタイプのキャッシュカードを持っている人は全体の約15%。
ICキャッシュカードはほとんどの銀行で発行されていますので手に入らないということはありません。
何故ICタイプの普及が進まないのでしょうか?
これは爆発的に普及した交通系ICカードや電子マネーカードの「かざすだけ」のような便利さ。
メリットが見いだせないからだと思われます。
利用者がキャッシュカードをICカードに変える理由として唯一「セキュリティ」が考えられます。
しかし毎日の中で自分が偽造カード犯罪に巻き込まれてしまうというところに考えがなかなか及ばず、面倒なのでわざわざICキャッシュカードの作成を行わないのでしょう。
なにかキャッシュカード偽造に関する大きなニュースなどがあれば普及率も変わってくるのかもしれません。
運転免許証もICカード
日本では2007年より段階的にICカード運転免許証が採用されるようになりました。
従来のものとはまず見た目上の違いがあります。
まず厚さがそれまでの0.5mmからクレジットカード等と同じ0.76mmになりました。
個人情報の保護の為、本籍情報がICチップに記録され表面の本籍欄は空欄になりました。2010年からは本籍欄自体がなくなっています。
書類などに本籍を記載しなければいけない場面で、免許証をみて確認していた人は非常に多いと思いますので注意が必要です。
そして取得・更新の際にクレジットカードやキャッシュカードと同じ4ケタの暗証番号を設定しなければいけないようになりました。しかも2つです。
ICカード上に記録されている「氏名」「生年月日」などを読み取るためには、ひとつめの暗証番号が必要。
「本籍」の情報を読み取るためには、ふたつめの暗証番号が必要となります。
運転免許証を所持している皆さん、設定した2つの暗証番号を覚えていますか?
ゲームセンターにICカード
現在、各家庭にインターネットの環境が整い、全国のプレーヤーと一緒にゲームができるオンラインゲームが普及してまいりました。
街中にあるゲームセンターでも同じようにオンラインゲームが登場しており、人気を博しています。
ただ家庭用オンラインゲームとは違い毎回同じゲーム機で遊ぶわけではないので、何もなければユーザーを認識できません。
そこでICカードです。
ゲームメーカーの多くがICカードでユーザーを認識し、オンラインでプレイヤーのデータを管理しており、対戦成績やスコアなどをいつでも確認できるオンラインシステムを採用しているのです。
最近はオンラインゲームだけではなく、特に子供に人気のあるカードアーケードゲームにおいても、単純にどのレベルにいったかまでを覚えさせたり、アイテムを貯めたりするためのセーブカードとしてICカードが使われています。
健康保険証もICカード
現在はまだ健康保険証はまだICカードではありません。
ただ厚生労働省は、健康保険証をICカード化する準備を進めているそうです。
健康保険証をICカード化すれば、病歴などを記録することで、救急医療時に適切な医療を受けることができたり、アレルギーや副作用歴などを記録することで、医療事故を防ぐことに役立ちます。
また処方箋情報を記録することで、薬局の事務作業が減りコスト削減につながります。
近い将来、健康保険証のICカード化が始まりそうです。
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