ICカード×若者割引:前橋市の挑戦
若者が割引になる施策を通じて公共交通の利用を促進しようとする前橋市の取り組みが注目されています。市内在住の13~22歳を対象に、路線バス運賃を1割引きにする制度が2023年12月3日からスタートします。この割引事業は、交通系ICカードとマイナンバーカードを連携させた「GunMaaS(グンマース)」というウェブサービスを活用することがポイントです。
ICカードを活用した簡単な割引システム
割引適用のプロセスは非常にシンプルです。利用者は、交通系ICカードを精算機にタッチするだけ。事前に「GunMaaS」を通じてICカードとマイナンバーカードを紐づけることで、自動的に割引が適用されます。
この仕組みにより、従来の割引手続きに比べて煩雑さが解消され、スムーズに利用できる点が画期的です。また、割引は市外の乗降場所でも適用されるため、幅広い利便性が期待されます。
若者の公共交通利用促進に向けた狙い
前橋市は過去にも、2023年初頭に15~22歳向けの運賃無料キャンペーンを実施しました。このキャンペーンでは、延べ2,497人が利用し、27人が初めて路線バスを利用したと回答。今回の割引制度も、バス未利用層にアプローチする重要なステップです。
「バスに乗ったことがない人のきっかけ作りにしたい」という市長の意図には、交通の利便性を身近に感じてもらい、将来的な利用増を目指す狙いがあります。
ICカードが広げる未来
この施策の成功は、ICカードの普及や便利な使い方を広めるきっかけにもなります。特に、ICカードを通じて割引やポイント付与、さらには多機能化することで、若い世代の交通利用スタイルが変わる可能性があります。
前橋市の取り組みは、他の自治体でもモデルケースとなり得る注目すべき事例です。ICカードと割引制度を組み合わせることで、公共交通がより身近で使いやすいものになり、地域社会の活性化にもつながるでしょう。
このような事例は、公共交通の利用促進だけでなく、デジタル技術を活用した市民サービスの可能性を広げる好例です。今後も同様の取り組みが広がり、若者だけでなく幅広い世代が恩恵を受けられることを期待したいですね。