【ニュース解説】地方バスでICカード導入が進まない理由とは?維持コストと利便性のギャップ

全国で交通系ICカード(Suica・ICOCA・PASMOなど)の導入が進む一方、一部の地方バス・私鉄では「ICカードを導入できない」「導入を見送った」というニュースが話題になっています。利用者からは利便性を求める声が強い一方で、事業者側には導入・維持コストの課題があります。
本記事では、なぜ交通系ICカードの導入が難しい事業者が存在するのか、その背景をやさしく解説します。
■ 交通系ICカード導入が難しい理由
1. 導入コストが大きい
ICカード(FeliCa)対応の車載機器・改札機・サーバーシステムには高額な初期費用が発生します。
- 車両ごとのICリーダー機器
- 運賃計算システムとの接続
- センターサーバー運用費
特に車両数の少ない地方バス会社では、この初期投資を回収するのが難しいケースがあります。
2. 維持・更新コストが想像以上に高い
ICカードシステムは導入した後も、以下のような継続的なコストがかかります。
- サーバー保守費
- 通信費
- 機器の定期更新
- 決済手数料
地方の公共交通事業者は赤字運営が多く、維持費がネックとなり導入に踏み切れない場合があります。
3. 利便性の向上が収益に直結しにくい
都市部では乗客数が多くICカード導入メリットが大きいですが、地方では利用者の絶対数が少ないため、投資回収につながりにくい状況があります。
■ それでも導入を求める声が多い理由
1. 利用者の利便性が圧倒的に高い
ICカードはタッチするだけで支払いが完了するため、乗降がスムーズになり、運行の効率化にもつながります。
2. 観光客・ビジネス利用者への対応
観光地ではSuica・ICOCAなど全国ICカードに対応していないと、旅行者が不便を感じるケースが増えています。
3. 紙の定期券の管理コストを削減
紙の定期券発行・更新作業をやめ、ICカードに一本化することで管理が楽になります。
■ FeliCa・Mifare ICカードの活用可能性
交通系ICカードはFeliCa方式が標準ですが、地方バスの中には、地域独自のMifareカードや簡易ICカードでコストを抑える取り組みもあります。用途に応じて、FeliCa・Mifareを使い分けることも可能です。
■ ICカード導入は「段階的な導入」がキーワード
近年は、機器の小型化やクラウド管理の普及により、ICカード導入コストが以前より下がってきています。地方交通でも、段階的導入や用途限定ICカードの採用など、選択肢が増えています。
■ 当社のICカード制作サービスのご案内
ポイント株式会社では、交通事業者向けのICカード製作・印刷にも対応。小ロットから制作可能で、FeliCa・Mifareどちらも取り扱っています。
■ 運営会社情報
ICカード事業を運営するポイント株式会社のコーポレートサイトはこちらです。
※本記事の内容は、正確性や最新性を保証するものではありません。
