熊本のバスと私鉄、全国交通系FeliCaチップ搭載ICカードの提供を終了

11月15日、熊本県内でSuicaやICOCAなど全国のFeliCa交通系ICカードでの運賃決済が正式に終了しました。このサービス終了は、熊本のバスや私鉄を運営する5社が発表したもので、決済端末の更新に伴う高額な費用が経営に負担をかけることが主な理由となりました。

九州産交バス、産交バス、熊本バス、熊本都市バス、そして熊本電気鉄道の5社は、昨年度の路線バス事業で36億円以上の赤字を計上。更新費用として見積もられた約12億円の出費は経営効率に影響を与えるため、利用者に対して全国IC決済の提供終了を決断する形となりました。

この全国相互利用ICカードの導入後に離脱するという決断は全国初であり、交通インフラ維持に悩む地域が他に続く可能性も示唆しています。とはいえ、地域限定のICカードや現金の利用は継続され、5社の利用者の約75%には大きな影響がないとされています。

地域に特化した交通手段の維持と改善が課題として浮き彫りになっている中、今後、交通機関各社がどのような方針で経営の効率化とサービスの質向上を目指していくのかが注目されます。