ICカードなどキャッシュレス決済限定バス実証運行-負担軽減と利便性向上の期待

キャッシュレス決済限定バス 秋以降 全国約10路線で実証運行へ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240626/k10014492011000.html

近年、バス業界では経営環境の厳しさが増しています。人口減少や運転手の人手不足が影響し、バス会社はさまざまなコスト削減策を模索しています。そんな中、国土交通省は、キャッシュレス決済に限定したバスの運行を全国約10路線で実証的に行う方針を打ち出しました。このニュースは、バス業界にとって重要な一歩と言えるでしょう。

現金管理の手間とコスト削減

現金による運賃の支払いは、バス会社にとって大きな負担となっています。特に、新紙幣の発行に伴う運賃箱の切り替えには、1台あたり100万円から200万円のコストがかかると言われています。例えば、伊予鉄バスの場合、約200台のバスをすべて対応させるには2億円もの費用が必要です。これは、燃料高や人手不足に悩むバス会社にとって非常に大きな負担です。

さらに、運転手が日々の集金業務や両替対応に追われることも問題です。特に高額紙幣の取り扱いは、運転手のストレスを増大させ、乗客の乗り降りのスムーズさにも影響します。キャッシュレス決済に移行することで、これらの問題が大幅に軽減されると期待されています。

ICカードによる利便性向上

交通系FeliCaキャッシュレスICカードは、多くの人々が既に持っているため、新たな機器の導入やユーザーの習慣変更が少なくて済みます。また、ICカードによる決済は迅速で確実なため、乗降がスムーズになり、バスの運行効率が向上します。

利用者にとっても、ICカードの利用は大きなメリットがあります。現金を持ち歩かなくても済むため、利便性が高まります。また、通勤や通学でバスを利用する人々にとっては、時間の節約にもつながるでしょう。

実証運行での検証と今後の展望

この秋以降、全国約10路線で行われる実証運行では、キャッシュレス決済に限定することによるバス会社の負担軽減効果や利用者の利便性向上が検証されます。特に、ICカードの利用状況やその効果についても詳しく調査される予定です。国土交通省は、実証運行の結果を基に、本格的な導入を検討するとしています。

まとめ

バス業界は、新紙幣発行をきっかけにキャッシュレス化を推進しようとしています。これは、経営の効率化だけでなく、利用者の利便性向上にもつながる重要な取り組みです。特にICカードの普及は、キャッシュレス決済の中でも大きな役割を果たすでしょう。キャッシュレス決済限定バスの実証運行が成功すれば、全国のバス路線での普及が期待されます。これにより、バス業界の持続可能な発展と、公共交通機関としての利便性向上が実現することを期待しています。