日本の交通系ICカードとタッチ決済の未来を考える
交通系ICカードに関する興味深い記事がありました。
最近、電車やバスに乗るときの支払い方法がどんどん便利になってきています。特に、クレジットカードやデビットカードを駅の改札にピッとかざすだけで乗れる「タッチ決済」が注目されています。
首都圏では江ノ島電鉄が全線でタッチ決済を導入し、東急線では2024年5月から全駅で利用可能になりました。東京メトロも2024年度中に実証実験を始める予定とのことです。
ロンドンの成功から学ぼう
タッチ決済の導入で参考になるのがロンドンの例です。ロンドンでは2014年からタッチ決済が導入され、今では1日に約500万件もの支払いがタッチ決済で行われています。この成功の背景には「週間キャップ」という制度があります。これは、1週間に一定の金額以上の交通費を支払うと、それ以上は課金されない仕組みです。この制度のおかげで、多くの人が定期券からタッチ決済に切り替えたとのこと。
日本での課題は?
日本でもこの「週間キャップ」を導入すれば、通勤・通学で交通機関を利用する人たちにとって便利になるかもしれません。でも、日本には既に便利な交通系ICカードが広く普及しています。これらのカードは、交通機関の支払いだけでなく、コンビニやスーパー、自動販売機、飲食店、さらには役所での支払いにも使えるという利点があります。
ロンドンではタッチ決済の普及でオイスターカードの利用者は減りましたが、その減少幅は2割程度にとどまりました。これは、外国人観光客が引き続きオイスターカードを使っているからです。日本でも、訪日外国人がどれくらいタッチ決済を利用するかは、これからのデータを見てみる必要がありますね。
コストと利便性のバランスが大事
また、交通系ICカードの更新には多額の費用がかかる問題もあります。熊本の路線バス5社と熊本電鉄では、交通系ICカードのサービスを停止してタッチ決済に全面移行することを発表しましたが、利用者からは反対の声も多くありました。高い更新費用が背景にあるとはいえ、既存の利便性を損なわないようにすることが求められています。
まとめ
タッチ決済の導入は世界的な流れに乗るためにも大切です。しかし、交通系ICカードの広範な利便性を考えると、一気にタッチ決済に移行するのは難しいかもしれません。技術の進化と共に、利用者のニーズや利便性をバランス良く考えた導入が必要です。熊本の事例が示すように、更新費用や利便性の低下に対する利用者の反応を見極めながら、より良い未来の交通システムを作り上げていくことが求められています。
交通機関の支払い方法がどう進化していくのか、これからも目が離せませんね。
交通系ICカードより「タッチ決済」ゴリ押しでいいの? 「外国人にも便利」は本当か 海外の“現実”
https://news.yahoo.co.jp/articles/575575a257030a9c9fd380bc327f3314e981df60